6月25日〜29日に中国の成都で PACIS (Pacific-Asia Conference on Information Systems) が開催された。
http://pacis2014.org
昨年の済州島大会の参加者は500人超、今年の第18回大会の参加者は600人超で、最近参加者が急増している。Association for Information Systems* (AIS) の前会長 Vogel 氏は「間もなく、世界の経営情報学研究者の過半がアジア太平洋地域の出身となる」と言っているが、その日はそれ程遠くないであろう。その位、アジア太平洋地域には勢いがある。
*英語の「information systems」は、日本語の「情報システム」よりずっと意味が広く、ITの経営への応用やIT組織、ITガヴァナンスまで含み、「経営情報学」にほぼ対応する。したがって、上記 AIS の国内関連学会は一般社団法人 経営情報学会となっている。
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開会式 |
残念だったのは、アジア太平洋地域だけでなく米州や欧州、アフリカまで含む全600人超の参加者の内、日本からの参加は僅か5人!だったこと。このような状態で、どうやって世界に伍して行くことができようか。
当方で把握している日本からの参加者は以下の通り(他に参加者がいらしたら、ご一報下さい)。
神岡太郎氏(一橋大学)発表者
Jaehyun Park 氏(東京工業大学)発表者
櫻井美穂子氏(慶應義塾大学大学院生)Doctoral Consortium 参加
李 振 氏(神戸大学大学院生)
平野(早稲田大学)National Representative, PACIS Executive Committee 兼 Mentor, Journal Joint Author Workshop
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Park氏の発表 |
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神岡氏の発表 |
国際会議でアイディアを発表したり、共同研究や個人的な交際をすることは、ソフトパワーであり、国防にも寄与する。現実に、中国本土・台湾・香港・韓国等の研究者達が、領土問題や歴史問題に関係なく、一緒に活躍している。日本の存在感は極めて薄いから、他の手段に頼ろうという議論も出よう。自戒も込めて、一層の努力が必要である。
次回の PACIS 2015(シンガポール)からは、投稿して採択されなかった論文の為のワークショップ(メンターが改善法について指導してくれる)となるストリームができる予定である。日本人にとっては投稿しやすくなるので、経営情報学会会員は、是非投稿を計画されたい。
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今年の Journal Joint Author Workshop の参加者 |