2011/10/22

Perils of International Expansion 国際化の危険

There have always been evidences against the diversification by firms.  Now an evidence concerning law firms against international expansion (ie, geographical diversification).  According to the Economist, as law firms increase the ratio of lawyers stationed abroad, their profit per equity partner decreases.  Diversification of all sorts creates increased information processing load for the organisation and its managers, and easily surpasses their information processing capacity, resulting in poor and/or delayed decisions.  Focusing seems to make sense here as well.

企業の多角化を否とする証拠は常に存在するが、今回は、法律事務所の国際化(=地理的多角化)を否とする証拠が紹介された。『エコノミスト』誌によると、法律事務所が海外駐在の弁護士の割合を増加させるにつれ、(所有権を持つ)パートナー1人当たりの利益は減少する。多角化というものは、組織とマネジャーに対する情報処理負荷を増加させ、彼らの情報処理能力を超えてしまいがちとなる。そうなると、意思決定の遅れや間違いが発生する。ここでも、集中はペイする戦略のようだ。

http://www.economist.com/node/21532313

2011/10/11

昔は、作れば売れたけど ...

かなり歳取ってきただけでなく、Steve Jobs のこともあり、余命を考えるようになった。「古典的な本で未だ読んでないものは、生があるうちに読まねばならない」という気がしてきて、長年、積ん読になっている本の山から、まず Vance Packard の "The Hidden Persuaders" (Pocket Books, 1957)(『隠れた説得者』、林周二・訳、ダイヤモンド社、1958)の埃を払って読み始めた。

眠る前にベッドサイドブックとして読み始めた(だから、いつ読み終わるか分からない)のだが、第2章で起きてしまった。

Packard は、何と、1950年頃には「生産量が多すぎて黙っていると売れ残ってしまうから、心理学などを使って、本来不必要な需要を喚起して不要品を欲望させる必要が出てきた」と書いているのである!!!

ご存知のように、ビジネス書の多くは(研究書でさえも)、「昔は生産量が限られていたので、生産者優位で、作れば売れた。しかし、最近は生産効率が増加し、相対的に消費者優位となってきたので、ただ作っただけでは売れず ...」という枕で始まり、「だから、今は XXX せねばならない、YYY をしてはならない ...」と自説を論ずる。

私もぼんやり受け入れていた(私は「価値観の多様化」は受け入れていない。これについては、別稿で書こう)が、1950年代には、もう既に「作れば売れる」時代は終わっていたのである。

では、作れば売れた「昔」とはいつ頃のことだったのだろう?

落ち着いて歴史を考えてみると、我が国中世の「坐」や欧州中世の「手工業ギルド」は、生産者によるカルテルであり、生産調整の機能を果たしていたと考えられる(大学も、教育サーヴィスの生産調整を行うギルドだった)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ギルド
http://ja.wikipedia.org/wiki/座
つまり、産業革命を待たずして、既に中世でさえも「作れば売れる」時代ではなかったのである。だから、まともにビジネスマネジメントを論ずるのであれば、「作れば売れた時代」などというものは、かつて無かったと言えよう。

系として、「作れば売れた昔」と「消費者に焦点を合わせなければ売れない今」とを対置するような論立てのビジネス書は、まぁ眉唾モノということになるのだろう。

勿論、今も昔も人気商品は作る端から飛ぶように売れていくのであり、小手先の消費者対策などよりも、売れる商品(またはサーヴィス)を作ることに集中すべきであることは言うまでもない。

2011/10/07

(Further) About Jobs (今更)ジョブズについて

As there have been so many articles about Steve Jobs already, I have been feeling reluctant to further add anything.  However, I have decided to react to the article by Nobuo Ikeda.

Ikeda maintains that the greatness of the magician resides not in his technological nor visionary genius, but in his capability to realise his ideas into product design.  Because of this emphasis on details, he deconstructed the hardware-software amalgamation and largely outsourced the production function, so that he could exercise the overall control throughout the company's value chain.  It was true.  I agree.

What I like to add is that Jobs extremely narrow-downed Apple's product range.  This is again a good example of focusing.  You should keep the required information processing load below your information processing capacity.  In many large firms, the information processing is shared by number of people.  In Apple, basically Jobs was the only information processor concerning important product dimensions.  Focussing both on the value chain and the product range, hence.  Great!!  Perhaps, many of Japanese manufacturers who tend to easily succumb to the temptation of product line proliferation could learn a thing or two.


ジョブズについては既に多くの記事があり、今更付け加えるのも、と躊躇していたが、池田信夫氏の記事に反応した。

池田氏は、ジョブズは技術的天才でもなければ、ヴィジョナリでもなかった。アイディアを商品化する能力に優れていたのだ、とする。細部に拘るために、もともとはハードとソフトの統合メイカーだったものを、製造部門はアウトソースしておいて、ヴァリューチェイン全体をコントロールしようとした。その通り。賛成だ。

私が付け加えたいのは、アップルの製品群が極端に少ないことである。これは集中の好例である。情報処理負荷は、情報処理能力以下に抑えねばならない。多くの企業では、情報処理は複数の人が担っているが、アップル製品に関する主要な情報処理はジョブズが担っていた。したがって、ヴァリューチェインと製品群についての集中化。素晴らしい! 直ぐに製品ラインを拡張しがちな日本の製造企業も、学ぶことがあろう。

2011/10/03

「HP ウェイ」はどこに行った? Where Has the "HP Way" Gone?

HP は、Léo Apotheker を就任11ヶ月でクビにした。1999年以来6人目の CEO だ。HP を偉大な企業たらしめていた「HP ウェイ」は、一体どこに行ったのだろう? The Economist 誌によると、外部からスター経営者を招聘すること自体が間違っているという。


HP fired Léo Apotheker after only 11 months.  He was the sixth CEO of the firm since 1999.  Where has the "HP Way" gone that had made HP such a great company?  According to the Economist, evidences show that recruiting star CEOs from outside is totally wrong.

"... An unpublished paper presented to the annual conference of the American Accounting Association in August by Richard Cazier of Texas Christian University and John McInnis of the University of Texas at Austin ... studied 192 CEOs who had been brought in from outside between 1993 and 2005. They discovered that companies usually recruit CEOs from companies that have done well in the past—no surprise there—and that they usually pay them a fat premium. But then comes the rub: the pay premium is negatively correlated with the future performance of the firm that does the hiring. In other words: the more dazzling the outside recruit, the worse he performs in his new role."


2011/04/11

グリーンピース放射線専門家による記者会見












日時:2011年4月11日(月)12h-14h
場所:日本外国特派員協会(有楽町)

グリーンピース専門家の調査結果によると、
(1)政府・東電から出されている数値とグリーンピースの調査結果は概ね似ているが、政府・東電の発表は十分ではない。
(2)野菜や土壌の調査結果は、既に県などから公表されているものよりかなり高い。
(3)調査結果に基づいて、総理大臣への要望書を提出した。

(野菜や土壌の調査デイタ・調査方法、総理への要望書などがあります)

2011/04/01

一般社団法人 経営情報学会 設立時社員総会

本日、経営情報学会が一般社団法人として登記され、設立時社員総会が開催された。

日時:2011年4月1日(金)19:00-20:00
場所:東京工業大学(大岡山キャンパス)
 

出席社員:平野雅章、飯島淳一、根来龍之
オブザーバー:國領二郎、妹尾大、井上明也、柿原正郞

審議事項
1.代議員選出規定および役員予定者選挙規定の承認
2.代議員の選出
3.設立時役員25名の承認

経営情報学会の法人化は10年来の懸案で、何度かプロジェクトチームを作ったりして試みられたが、今まで実現できなかった。それが、今理事会の下でやっと達成された。感慨深いものがある。特に、骨を折られた、森田さんに感謝。

設立時社員(根来氏、平野、飯島氏)

オブザーバー(柿原氏、井上氏、國領氏、妹尾氏)

2011/02/28

新手の(不正)受験ビジネス?

2月27日から28日にかけて、京大・早大・同志社大・立教大の入試問題がインターネット投稿された事件の報道があった。

公に確認されている事実は、
(1)当該大学の入試時間中に問題が Yahoo! 知恵袋に質問投稿された。
(2)数分から数十分後にこれらの問題に解答が投稿された。
(3)入試時間中に、質問者から、お礼も投稿されている。
(4)すべての質問に使われたIDは同一であった。
等である。

これらの事実から推定される背景は、
(1)投稿当人が合格したかったとは考えられない。
(2)解答を作成投稿するために待機しているグループが存在する。
ということである。

ありうる正解は、新たな(不正)受験ビジネスではないだろうか。

予め客(受験生)を募り、問題投稿者(受験手続きをして、受験生として受験会場で問題を打ち込み、投稿する)と解答者(待機していて、投稿問題に、直ちに答える)を用意しておいて、客には、「困ったら、Yahoo! 知恵袋を見るように」指示しておく。インターネットであるから、客以外の者が解答を知り利益を得る可能性もあるが、これには目をつぶる。

問題投稿者の携帯電話が特定される可能性はあるが、解答を見るためにアクセスした客を特定することはまず不可能であろう。実際の入試以前に同一IDから、問題の解答を求める投稿があったそうだが、これは、解答者の候補者を捜すプロセスだったのではないか。つまり、問題に解答してきた人に、このビジネス参加(本番のときに待機していて、直ちに解答を投稿することで、謝礼を得る)を勧誘したと考えられる。

以上のように考えると、今回の事件は全く不思議はないが、唯一不思議なのは、「どのようにして短時間に問題文を携帯で打てたか」ということ。

大学当局も、記者会見で怒ってみせるだけでは解決にならず、もし現行の入試制度を維持したいのであれば、
(1)入試に使う教室を(一部のコンサートホールのように)携帯電波使用不可能になるように工事する(とても高コスト)。
(2)携帯電波にジャムを掛ける(附近から苦情が出るだろうし、法律的にも問題あり?)
(3)徹底的な身体検査(入場に時間が掛かる)
(4)携帯電波を探知する装置を各教室に設置(コスト高だが、通常の期末試験などにも使える)
などの対策を考えねばならない。従来からのやり方に安住してきた大学当局の責任は重いのであって、反省が足りないように見受けられる。

他方、新しいITCの存在を前提とすれば、中国の科挙以来千年以上にわたって革新のなかった選考方式を改めて、全く新しい選考方法を考案導入することの方が、遥かに優れた対応である。技術革新が、大学における選考方式革新を強制していることの社会的・歴史的意味は非常に大きいのだが、文科省や大学当局がこのことを理解しているように見えないことは残念である。

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後日談

その後、浪人生の単独犯ということになったようである。
犯行の余りの単純さと想像力の欠如に、とてもがっかりした。

しかし、大学の責任は重い。