2010/01/22

トヨタのリコール

本日、米国におけるトヨタ車のリコールが伝えられた。今回は、230万台、昨年秋以来426万台のリコールを実施中。昨年は夏に中国でも69万台のリコールをしている。いずれの場合も現地生産車が対象だそうで、こうなると偶発的というより、組織的な問題の可能性が大きくなる。

トヨタの場合は、トヨタ方式といわれる生産管理の仕組みがしっかりしているとされていて、他の日本企業と比較した場合には属人的な管理の要素は少なめなのかも知れないが、それでも海外にオペレイションを持っていって、急速にスケイリング(規模増加)を行う能力には不安がないとは言い切れない。日本企業は、仕組みの構築に力を入れるより、優秀な従業員を採用・社内育成することにより、属人的な管理でオペレイションを行おうとする傾向がある。すなわち「組織は人なり」だと思っている。しかし、このやり方が機能するためには「適切な人材の十分な供給」と「相応しい育成方法が分かっている」ことが前提となっていて、これらの条件が満たされない場合には、大変に厳しいことになる。

因みに、筆者は、企業などの組織体から組織成員を除いた残り(意思決定ルールやコミュニケイションのネットワーク。経済学で言うTFPのようなもの)を組織と定義している。

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