私の勤務する早稲田大学ビジネススクールでも、「起業したい」と言ってくるMBAプログラムへの応募者が少なくないが、どのような事業にするのかと聞くと、残念ながら(少なくとも私には)夢も社会的意義も全く感じられないような計画が大半である。
先週の「The Economist」誌の Technology Quarterly には、素晴らしい話が幾つか出ている。
一つは、開発途上国の衛生状態を改善するためのトイレの開発。Bill and Melinda Gates Foundation が主催した「Reinventing the Toilet Challenge」が課した条件は、
(1)維持費が一人1日当たり5セント以下
(2)汚物を処理するのに、上水も下水道も不要
(3)エネルギーを発生し、塩分・水分・その他養分を回収する
というようなもの。想像力を掻き立てる挑戦ではないか!
http://www.economist.com/node/21560990
もう一つ興味を惹いた事例を紹介すると、開発途上国で一般的な灯油ランプ(不健康なガスを出し、事故も多い)を不要にするための、太陽エネルギー利用の照明機器。安価で丈夫かつエネルギー効率の良い機器の開発と、これを普及するためのビジネスモデルを一体として考える。アフリカでは携帯電話を利用した送金サーヴィス(M-PESA が最も有名)が発達しているが、同様に太陽エネルギーを活用して広く電気を供給できれるようになり、さらにランプだけでなく炊事も出来るようになれば、灯油の費用と事故の減少により、そのメリットは莫大である。
http://www.economist.com/node/21560983
こういう話は、単に「儲かりそうかどうか」というビジネスプランと全く異なり、大いにワクワクさせられる。こんな計画をもっている応募者がいたら、是非私のゼミに来て貰って、一緒にトコトン考えたくなる。起業を目指す人は、「社会にとってどのような価値があるのか」を、もっともっともっと考えて欲しい。
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