
一般には、ITの普及と共に必要とされる仕事のスキルレベルが向上し、要求スキルレベルの低い仕事は機械化されると考えられる傾向がある。しかし、ごく単純な作業は、逆に機械化が難しい場合も少なくない。
The Economist (September 11th 2010) の記事は、洗ったタオルを畳む作業の例を冒頭に上げ、このような仕事は必要なスキルのレベルは低いものの、ロボットより人間の方が遙かに上手いと指摘している。同記事によると、IT投資の結果、スキルレベルの高い仕事(専門職等)とスキルレベルの低い仕事(単純作業)の労働は増え、中レベルの仕事(秘書、工場の監督等)の労働がコンピュータに置き換えられ、これは国を問わないという(右図は同記事より)。
この現象は、幾つかの問題点を提示している。
まず、これからの組織設計をどう考えるか? 中間的なスキルはITにより置き換えることを前提とすべきか?
次に、教育の効果をどう考えるか? もし中途半端にスキルレベルを上げることが失業につながるのならば、例えば社会的に高校卒を許すべきではないのか(つまり、中卒か、大卒のみ)?
最後に日本では社会の二分極化が問題となっているが、これは日本に限った問題ではないのか? これが(しばしば仮定されているような)社会制度の欠陥ではなく、IT投資に起因するのであれば、どのような対策や対処法が可能なのか?
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